TOP > Victoriaリーグ1部(2017年) > バックナンバー > 「三光電気工事が最高峰リーグを制し、最強王者の称号を手に!!」
TEAM1234567R
  東京ドナルドダック      0        0        0        0        0        0        1        1    
  三光電気工事(株)      0        0        1        0        1        0        ×        2    
三光電気工事が初出場初優勝!走攻守において隙の無い野球を見せつける!!
12月24日、午前11時50分。早朝の凍てつく寒さから一転、正午を前に二桁へと到達した気温と共にグランドのボルテージも最高潮に達した決戦の地・明治神宮野球場では、今季のVictoriaを締めくくる最終戦にして最強王者の称号を懸けた頂上決戦、「東京ドナルドダック 対 三光電気工事株式会社」の1部リーグ決勝戦が行われた。 戦いの先攻は、指揮官の交代、新戦力の加入、チーム全体の意識改革など、まさに変革の1年と位置づけた今季、その成果が実り2013シーズンの初制覇以来、4年振りとなる決勝進出を叶え、王座奪還を目前にした東京ドナルドダック。
そんな新しく生まれ変わったチームを新指揮官として導いてきた山口監督はゲーム前、「今季は、4年前に初優勝した時の感じを取り戻そうという所からスタートして、何もかも思い通りにはいかなかったですけどここまで勝ち上がって来れたので、そこは1つ良かったかなと思います。ただ、ここで勝たないと1年やってきた事が意味を成さなくなってしまうので、チーム一丸となって勝ちにいきたいと思います。やはり守備のチームであるウチとしては先発を任せるエース根岸と2番手に控える浜部が如何に良いピッチングをしてくれるかが勝負のポイントだと思いますね。また、打線の方も調子の良い選手が上位、下位にといるので、攻撃面からも流れを持って来れるかなと期待しています」と語り、 4年越しの歓喜を狙う。
また、勝利のキーマンとして先発マウンドを託されたエース根岸は、「良い感じのピッチングが出来た準決勝の時から調子を落とさないように毎日トレーニングを重ね維持してきたので、コンディションは万全です。ピッチングのテーマとしては、強豪チーム相手なので先制点を与えない事が一番重要かなと思っています。あとは打線の援護を待ちながらいける所まで全力投球するだけですね。とにかく、4年前と同じように優勝したいと思います」と話し、チームの絶対的支柱が力強く力投を誓った。 対する後攻は、初参戦ながら群雄割拠の最高峰リーグを予選から無敗のまま決勝の舞台へと勝ち進んできた三光電気工事株式会社。
そんな、既に証明しつつある実力を優勝という二文字で彩るべく意気込むチームの指揮官・市川監督はゲーム前、「何とかこの決勝の舞台に残れたので、しっかり自分達の野球で戦い、勝ちに拘った試合をして今季の最後を何としても優勝という形で締めくくりたいと思います。勝負のポイントとしては、先発を任せる松下の立ち上がりですね。最近立ち上がりに不安があったので、そこを3人で抑えてくれればリズムが生まれるかなと思っています。一方の攻撃面に関しては何も心配はしていないです。やる事はやってきたので、後は各々が自分の力を信じてやってもらうだけです。とにかく、初参戦での初優勝という機会は今年しかないので、絶対に掴み取りたいと思います」とコメントし、初参戦yearでのタイトル奪取を約束した。
また、その市川監督がキーマンに挙げた先発の松下は、「これまで課題であった制球力も修正してきたつもりなので、しっかりとコーナーをついたピッチングで打たせて取る事を心掛けて投げ抜けたらなと思います。とにかく、先発を任せてもらったからには0で抑える事を目標に全力で投げていきたいと思います」と話し、大会屈指の剛腕がチームを勝利へと導くべく、神宮のマウンドに上がる。 そんな両雄が王座奪還、初制覇とそれぞれの悲願達成を掲げ相見える事となった戦いの火蓋は、稲垣(慶)主審のプレーボールで切って落とされ、ゲームが動いたのは中盤へと差し掛かった3回裏だった。
1回、2回と何れもランナーを得点圏に進めながら、エース根岸が見せる気迫の前に決定打に欠けチャンスを逃していた三光打線だったが、この回も2アウトながら2塁のチャンスを演出すると、迎えた5番篠沢がセンター前にしぶとく落とすタイムリーを放ち1点を先制。ゲームの均衡を破ると共に主導権を握り、監督の期待通り奮投する松下をようやく援護する。
するとその松下は、バックの堅い守りに助けられながら無失点で抑えてきた3回まで以上にギアを上げ、先制直後の大事な4回を難なく三者凡退に抑えるなど力投を継続。また、バックもその松下を更に盛り立てるかのように好プレーを披露。中でも5回表、女房役であるキャッチャー倉部が初回に魅せた盗塁阻止に続き、今度はオーバーリードの2塁ランナーを自慢の強肩で刺し3アウト。松下を中心としたディフェンス全体の高きポテンシャルで東京ドナルドダックに反撃の機会を与えない。 すると5回裏、東京ドナルドダックの2番手浜部からラッキーな形で出塁した1番市川を2塁に置いた場面で、迎えた4番小林がライトの頭上を越す豪快なタイムリー2ベースを放ち追加点。頼れる若き主砲の一打で終盤に1点を加え、ゲームを完全に支配する。
一方、序盤から粘り強いディフェンスを見せながらも中盤、終盤とで2点を奪われ、攻撃面でも三光電気工事(株)の鉄壁ディフェンスに幾度もチャンスの芽を摘まれ、苦戦する東京ドナルドダック陣営。それでも何とか意地を見せたい打線は最終回、遂に反撃の狼煙を上げた。
この回からストッパーとしてマウンドに上がった2番手吉崎を攻め立て、2アウトながら1、2塁のチャンスを作り出すと、迎えた6番大石がライト前へと運ぶ快心のタイムリーを放ち土壇場で1点差に詰め寄り、一気の逆転劇へと気運を高める。だがしかし、この試合最大のピンチを背負っても顔色一つ変えないベテラン右腕吉崎の前に、続く7番DHの松島がピッチャーゴロに打ち取られ万事休す。互いの意地と意地とが激突し、最高峰リーグという名の戦いに相応しいゲームとなった好勝負は、最後の最後で訪れた試練を潜り抜けた三光電気工事(株)に軍配が上がり、見事初参戦での初タイトル獲得を成し遂げた。 ゲーム後、優勝インタビューに答えた市川監督は、「優勝出来れば負け無しで今シーズンを終われるという事だったので、結果を出せて良かったです。展開としては、初回にチャンスを逃してしまったんですけど、松下が粘っていたので何とか点を取ってやろうという思いでした。先制、追加点を奪えたのは良かったですね。今年は初参戦ながら強いチームばかりの1部で結果を残せたので、来年も先ずはこの1部リーグの優勝と、今季悔しい負け方をしたトーナメントの方でも結果を残したいと思っているので、2冠目指して頑張ります」と語り、最高峰の初制覇に甘んじる事無く、更なる高みへの挑戦を見据えた。
一方、惜しくも王座奪還とはならなかったものの、土壇場でのメイクミラクルを予感させるなど、最後の最後まで勝負を諦める事無く自分達の野球を貫いた東京ドナルドダック。それだけに悔しさは残るが、この準優勝という結果は今季初めから試みた改革がチームの進化に繋がった証と言えるであろう。そして今日の惜敗が、東京ドナルドダックが目指す新たなタイトル奪取への礎となる事を大いに期待したい。
【MVPインタビュー】 #7 松下 龍平
【監督インタビュー】 #30 市川 勝久
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