TOP > Victoriaリーグ1部(2020年) > バックナンバー > 「ちゃんぷるーずが最高峰リーグ制し初タイトル獲得!!」
TEAM1234567R
  ちゃんぷるーず      1        0        0        0        0        0        3        4    
  King☆Johnny      0        0        0        0        0        0        0        0    
ベテラン投手陣を大元が攻守で引っ張る!ちゃんぷるーずが悲願の初優勝!!
曇り空から時折太陽が顔を覗かせるも、まだまだ気温が上がりきらず凍てつくような寒さとなった1月11日午前10時20分。明治神宮野球場で行われるVictoriaファイナル2020、2日目の第2試合を飾ったのは「ちゃんぷるーず × King☆Johnny」の最高峰1部リーグ決勝戦である。
戦いの先攻は昨季サマーカップとオータムカップで3位に入り、1部リーグでは準優勝に輝いた常勝チームのちゃんぷるーず。輝かしい成績を収めた昨季であったが、1部リーグ決勝戦ではサドンデスの末に栄冠を逃し、悔しさが残るシーズンであった。そして、去年の忘れ物を取り返すべくリベンジを誓った今シーズンも予選リーグは3位ながら、持ち前の勝負強さでファイナルの舞台まで勝ち上がってきた。決勝までの8試合で43得点を叩き出した強力打線のクリーンアップは高校、大学、社会人とトップレベルの野球を経験してきた野球エリートの3番佐藤(琢)、ちゃんぷるーずのレジェンド的存在であり広角に安打を量産する4番今村、更にはナインから愛されるムードメーカーであり、守ってはショートを任される攻守の要の鎌田が5番を担い、彼らが活躍することが勝利への近道へとなることは言うまでもないだろう。
対する後攻のKing☆Johnnyは2016年に3部、2019年に2部を制覇し、1部昇格初年度で最高峰の頂まであと1勝の所まで勝ち上がってきた若手を代表するチームだ。Victoria史上初の3部・2部・1部の3冠達成を目論むチームは、ちゃんぷるーずと同様に予選リーグは3位ながらも決勝トーナメント1回戦ではTropicana、準々決勝ではTommys baseballclubと強豪を下すと、準決勝の吉岡クラブ戦では日下部の圧巻の完封劇でファイナル進出を決めた。注目選手に名前が挙がったのは打っては主軸、投げてはリリーフとしてチームのピンチを何度も救ってきた大黒柱の榎本と、「1部No.1キャッチャーになります!」と意気込み、抜群の身体能力を武器に走・攻・守で躍動が期待される川崎、チーム最年少ながら圧倒的な存在感と豪快な打撃で不動の4番に座る安永の3選手である。決勝トーナメントでも大活躍を見せた彼らの躍動こそが3冠達成には必要不可欠である。 互いに2年連続の神宮の舞台となり、予選リーグ3位からの下剋上を演じてきた両者。どちらも好投手を擁するだけに静かな立ち上がりが予想されたが、ゲームは序盤から動きを見せる意外な展開となった。
1回表、ちゃんぷるーずは先頭の三戸が倒れるも、2番キャプテンの大元がフルカウントから四球を選び出塁。続く3番佐藤(琢)はKing☆Johnny先発の日下部が変化球で空振り三振に仕留めるが、4番今村は追い込まれながらも変化球を捉え三遊間へ技ありのヒットを放ち、2アウトながら1、2塁とチャンスを広げる。ここで打席に立つのは注目選手の5番鎌田、カウント2-1から打球はサードに転がり3アウトかと思われたが、これを名手安永がまさかの悪送球。何とかファーストの鬼沢がキャッチするも、体制が悪くなったのを見逃さなかった2塁ランナー大元が一気にホームに突入。際どいタイミングであったが、華麗なスライディングと神の手ともいえるベースタッチでホームイン。最高峰リーグらしくハイレベルな技を披露し、ちゃんぷるーずが1点を先制。なおも2アウト1、2塁とチャンスは続いたが、ここは日下部が踏ん張り追加点を許さなかった。
1回裏、ちゃんぷるーずは今季の大事な試合で全て先発を任され、ナインからの信頼も厚い石川がマウンドへ上がる。抜群の安定感を誇るベテランと対峙したKing☆Johnnyは、1番佐藤(龍)が痛烈な当たりをレフト前へ運び、いきなり同点のランナーが出塁する。ランナーをスコアリングポジションへ進めたいKing☆Johnnyだったが、2番篠崎が三振に倒れ、3番川崎は大きな当たりを左中間へ飛ばすもレフトフライとなり、得点圏にランナーを進めることが出来ない。しかし続く4番安永が打席に入った初球、警戒される中で1塁ランナー佐藤(龍)が見事に盗塁を決め、一打同点のチャンスを作る。大事な場面でこそ真価を発揮する安永であったが、ここは変化球でサードフライに打ち取られ無得点。初回から見所満載の試合となり、気温とは裏腹に熱い戦いが繰り広げられる。
次にチャンスを迎えたのはKing☆Johnny2回裏の攻撃、1アウトから6番阿久津が四球で出塁すると7番寺下の場面でエンドランを仕掛け、セカンドゴロとなるもランナーが2塁へ進塁。さらにちゃんぷるーずのバッテリーミスの間に阿久津が3塁に進み、2アウト3塁のチャンスとなったが、8番鬼沢はセカンドゴロに打ち取られ無得点。ちゃんぷるーず石川が1回、2回とベテランらしい要所を締めるナイスピッチングを披露する。 3回表、1番からの好打順で追加点を奪いたいちゃんぷるーずだったが、ここにきてKing☆Johnny日下部が本領発揮。内野安打で出塁を許すも2番大元、4番今村の好打者を伝家の宝刀スライダーで三振にきって取り、圧巻のピッチングを誇示した。
そしてここから両投手の好投により試合は膠着状態となり迎えた5回表、この回先頭のちゃんぷるーず9番中村の打席で日下部にアクシデントが発生。2ストライクと追い込むも突如足を痛めナインが日下部のもとに駆け寄るが、痛みを押して続投を志願した日下部は、次に投げ込んだのは135キロのクロスファイヤー。9番中村は手が出ず見逃し三振となり、日下部の静かな闘志が垣間見える場面であった。後続もサードゴロ、空振り三振に打ち取り、日下部は5回7奪三振最少失点と先発の役割を十分に果たし、榎本へマウンドを託す。
5回裏、ちゃんぷるーずは無失点の石川から奈良へスイッチ、得意の継投策で逃げ切りを図る。マウンドを任された奈良はこの大舞台でも動じることなく、若手強力打線を3者凡退に切って取りベテランらしい落ち着いた投球術で起用に応えた。
6回も両者無得点で迎えた最終7回、追加点の欲しいちゃんぷるーずは先頭7番柏原が四球で出塁すると、8番平古場がレフト前ヒット、9番中村が送りバントで1アウト2、3塁と絶好のチャンスを作る。ここでキャッチャー川崎が飛び出した2塁ランナーの補殺を狙うも悪送球となり、3塁ランナーがホームイン。ちゃんぷるーずが待望の追加点を奪う。
更に1番三戸が四球、2塁ランナーの平古場が盗塁し1、3塁とすると、ここで2番大元がカウント2-2から榎本の変化球をセンターに運び、着実にリードを広げる。ちゃんぷるーずは攻撃の手を緩めず、続く3番佐藤(琢)がセンター前に痛烈な当たりを放つと、満塁の場面で登場したのは代打の鈴木(健)。自らの一振りで試合を決定付けたい場面であったが、ここは制球の定まらない榎本からきっちり四球を選び1点を追加。ちゃんぷるーずはダメ押しとなる5点目を挙げる。
何とか最終回に意地を見せたいKing☆Johnnyは、1アウトから代打石居が内野安打と送球ミスで出塁し得点圏にランナーを置くも、続く傍島はサードゴロに倒れ2アウト。打席には木村が立ち、ネクストには主将の秦が控える場面となったが、カウント1-1からの3球目、打球は奈良の正面に転がりゲームセット。ちゃんぷるーずが石川、奈良の盤石の完封リレーで最高峰リーグの頂点に立った。また、両投手を巧みなリードで引っ張り、初回の好走塁や最終回の貴重なタイムリーなど攻守の活躍を見せた大元がMVPに選出された。 ゲーム後、優勝インタビューに答えた羽石監督は「2年連続準優勝にならずに、優勝できて良かったです。King☆Johnnyさんは強力打線のイメージでしたが、素晴らしい投手もいて苦戦しました」と試合を振り返り、来季について「2冠、3冠と大きいことは言わず、どこか1大会は優勝したいです」と謙虚に抱負を語ってくれた。
一方、史上初の3部・2部・1部の3冠達成を目指しながらもあと一歩の所で敗戦となったKing☆Johnny。ちゃんぷるーず投手陣の継投の前にまさかの完封負けとなってしまったが、1部昇格初年度でファイナルまで勝ち上がってきた実力は賞賛に値する。まだまだ成長の余地を残しているチームだけに、来季の3冠達成への期待は膨らむばかりだ。
【MVPインタビュー】#7 大元 謙
【監督インタビュー】#8 羽石 英治
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