TOP > Victoriaリーグ1部 supported byファンゴユニフォーム(2021年) > バックナンバー > 「8年越し悲願達成!Tropicanaが遂に最強王者に君臨!!」
勝負を分けたチャンスでの攻防!柵越え2発含む9安打でTropicanaが初優勝!!
快晴の青空のもと気温も徐々に上昇し、汗ばむ陽気にも恵まれた1月9日10時45分。決戦の地・明治神宮野球場で行われたVictoriaファイナル2021、初日の第2試合を飾ったのは「Tropicana × BIGFACE」の最高峰1部リーグ決勝戦である。
戦いの先攻は、参戦8年目にして悲願のプロスタ進出を決めたTropicana。豪華なタレント選手が揃いながらもここまでタイトル獲得とはならず、「Victoria無冠の帝王」と呼ばれた彼らに待ちに待った好機が到来した。ファイナルでも扇の要としてマスクを被る神谷は『敵味方問わず、勝っても負けても、清々しい野球をします!』と正捕手の座を守り続けるチームの顔として、スポーツマンシップ溢れるコメントを残した。
一方の後攻は結成当初から他大会でタイトルを獲得するもVictoriaでは無冠と、こちらも虎視眈々と頂点を狙うBIGFACE。予選リーグ戦ではブロック4位ながらもワイルドカードで決勝トーナメント進出を掴み、下剋上からのファイナル進出をもぎ取った。注目選手として名前が挙がる板垣は決戦を前に『チームに少しでも貢献できるように頑張ります!自分たちの野球で最後まで楽しくプレーしたいと思います!』とBIGFACEのスピードスターが神宮の檜舞台でも躍動を誓った。 そんな両雄が相見える事となった決戦の火蓋は、星野主審のプレイボールで切って落とされ、試合はここぞの勝負強さが勝敗を分ける結果となった。1回表、BIGFACE先発のマウンドに上がったのは筒井。セミファイナルで強豪PIECE相手に好投を見せ、ゲームメイク能力と小柄な体型ながらも抜群のマウンド度胸を備えるが、そんな筒井に対しTropicana打線は初回から猛攻を仕掛ける。先頭バッターとして打席に入ったのは注目選手として名前の挙がる鷲谷、神宮という大舞台でも冷静沈着な鷲谷は筒井が投じた4球目を叩くと打球はピッチャーの頭上を高く弾み、快速を飛ばし内野安打とノーアウトで出塁。続く2番池田は初球をセーフティー気味に一塁線へ転がし、間一髪アウトになるもTropicanaは試合開始2分で早くも得点圏にランナーを置く。3番内山は3球目をフルスイングするがサードゴロに倒れ2アウトランナー3塁、ここで迎えたのは4番塩谷。初球は外に大きく外れ、2球目の甘く入った変化球をジャストミート、打球は右中間に転がるタイムリーツーベースヒットとなり、Tropicanaは試合開始僅か3分で電光石火の先制点を挙げた。
3塁側スタンドには大応援団が駆け付け興奮冷めやらぬ中、続く根本は3-1からの5球目を振り抜き打球はレフトの頭上を遥かに越えるタイムリーツーベース、初回からクリーンアップが見事に仕事をし、2-0とBIGFACE先発の筒井を攻略する。 幸先よく先制点を挙げ勢いに乗るTropicanaの先発は、今季フル回転のエース菅井。相手の勢いを止めたいBIGFACEは1番板垣が11球粘るも内野ゴロ、続く2番三井はアウトローのスライダーに手が出ず見逃し三振で2アウト、ここで簡単には終わらせまいと代表としてチームを引っ張る3番宮城が緩い変化球を上手く引きつけレフト前へ運び、2アウトから出塁。続く4番高木の打席でバッテリーエラーがあり得点圏にランナーを置くも、高木は自分のスイングをさせてもらえず空振り三振と、BIGFACEは対照的に得点機を逃す結果となった。
一方のTropicanaは勢いが止まらず2回表、並々ならぬ思いでこの日に懸ける7番神谷がフルカウントからの6球目を真芯で捉え、レフトオーバーのツーベースを放つ。下位打線でもタレントを揃えるだけに強行策に出たい場面でもあったが、ベンチが選んだ策は送りバント。これを8番三ツ俣は1球で決め、1アウト3塁と内野ゴロでも1点が入る局面で打席に立つのは9番の石田。カウント2-1からの4球目をピッチャー前にうまく転がし、迷わずホームに突入した神谷はホームイン、Tropicanaは2回にも追加点を奪い試合を優位に進める。 反撃に出たいBIGFACEであったが2回裏は見せ場なく4球で終わり、対照的にTropicanaは3回表にこの日一番の盛り上がりを見せる事となる。BIGFACEはここで先発の筒井から岩田に早々とスイッチ。代わりっぱなを攻め立てたいTropicanaは、1アウト1塁で前の打席タイムリーツーベースを放った塩谷を迎える。初回の打席で1本が出ただけに精神的な余裕が打者優位となり、岩田が投じた2球目を塩谷は初回に続きジャストミート。打球はやや低い弾道でライト後方にぐんぐん伸び、更にはベンチとスタンドからの大歓声がボールに勢いを加え、ライトスタンド最前列に突き刺すホームラン。Tropicanaは5-0と貴重な追加点を奪い、プロスタでの柵越えは実に2018年以来3年ぶりの一打となった。
このままでは終われないBIGFACEは3回裏、先頭の8番佃は倒れるも続く9番林はレフト前へクリーンヒット、トップバッターに戻り板垣は俊足を飛ばしセカンドへの内野安打と、1アウト1,2塁とこの日2度目の得点圏にランナーを置く。しかし今季エースとして数々の修羅場を経験している菅井は、ここでギアを一段階上げる。BIGFACEは過去に中軸を担ってきた三井が打席に入るもファーストファールフライ、続く好打者宮城は空振り三振と菅井は相手打線の息の根を止める快投を披露した。 4回表、BIGFACEは3人目の投手サイドハンドの中川がマウンドに上がる。中川は簡単に2人を打ち取るも石田にセンター前へ運ばれ、続く鷲谷、池田には連続フォアボール。中川は2アウト満塁のピンチを迎えるが、ここでの追加点は致命的になるが故、渾身のストレートを投げ込むと、Tropicana内山は差し込まれセカンドフライと絶体絶命のピンチを0点で切り抜けた。
4回裏、BIGFACEは4番高木からの好打順も8球で三者凡退と菅井攻略のきっかけを作れず迎えた5回表、Tropicana打線にまたしても一発が飛び出す。BIGFACEはここで2人目のサイドハンド河本がマウンドに上がる。先頭の代打河野は空振り三振で仕留めるも続く根本はボール気味の球を上手く捉え、技ありのツーベースとこの日4度目の得点圏にランナーを置く。ここでTropicanaベンチは動き、今日ノーヒットの倉橋に代わり、代打の南澤が左打席へ。初球はボールで外れ、2球目のインコースやや低めの変化球を上手くすくい上げると、打球は高々と神宮の杜に放物線を描く。スタジアムの全員が打球の行方を追い一瞬神宮球場が静まり返る中、打球はライトスタンドに放り込まれる2ランホームラン。この日2本目の本塁打にスタンドは大歓声に包まれ、7-0とTropicanaは更にリードを広げる。 試合は完全にTropicana優位で進む中、このままでは終われないBIGFACE打線は5回裏、遂に反撃の狼煙を上げる。先頭は注目選手としても名前が挙がる7番亀田、2球目を叩いた打球は深く守るショートの前へ転がり、意地の内野安打でこの日初めて先頭バッターが出塁。続く佃はサード強襲ヒットで続き、連打でTropicanaに襲い掛かる。これこそBIGFACE打線の真骨頂で、勝利を意識し始めた相手に連打で畳み掛け、逆転してきたシーンを過去に何度も目の当たりにしてきた。それは出場している選手のみならず控えメンバー、マネージャー陣も一体となり強豪相手にも一切怯まず、ベンチはこの局面で今日一番の一体感を見せる。続く林、板垣は倒れるも2アウトランナー1,3塁で打席に向かったのはこの日無安打の三井。疲れも見え始めた菅井が投じたこの日69球目、やや高めに浮いたボールを三井は執念で三遊間を破り、BIGFACEは待望の初得点を挙げる。
攻撃からリズムを作ったBIGFACEは、6回裏にも途中出場の高橋がショート後方にぽとりと落とすヒットで一気に二塁まで陥れ、ボークも絡み1アウトランナー3塁で迎えるは、こちらも途中出場の下野。3球ファールで粘りこの回から菅井よりマウンドを譲り受けた熱田が投じた6球目、下野は綺麗にレフト前へ運び2-7と試合終盤でBIGFACEが追い上げを見せる。
続く最終回の7回表、前のイニングからマウンドに立つBIGFACE高木がこの回も三者凡退で打ち取り、BIGFACEは最後の攻撃を迎える。1アウトから板垣がこの日2本目のヒットで出塁するも続く三井が倒れ、2アウトランナー1塁。ここでTropicanaは長年チームを支えてきた松下が満を持して登板。得点差は5点と開きはあるものの、松下は最後のバッターを託された極度の緊張からか制球が安定せず、二者連続の四死球で2アウト満塁とホームランで1点差のピンチを迎える。前の試合と同様、球場内の誰もが固唾を飲んで見守る中、松下が投じた4球目を最後は高橋が打ち上げ、ショートフライで7-2のゲームセット。参戦8年目にして遂にTropicanaが1部リーグの頂点に君臨した。 MVPには2打数2安打3打点1HRの塩谷が選ばれ、大会オフィシャルパートナーのローリングスジャパンより大人気グラブのHOH®グラブが贈られた。興奮冷めやらぬ中、ゲーム後インタビューに答えた代表の松下は8年越しの悲願達成について「8年掛かってこの地に来て、やるからには優勝を目指しチーム一丸となって今日は戦った」とコメントし、印象の残ったシーンを問われると「先取点がポイントとなる中で、4番の塩谷の先制タイムリーがチームの勢いに繋がった」とMVPに輝いた塩谷を褒め称えた。ファイナルでは先制点の行方が試合を大きく左右するだけに、あの場面で4番としての仕事をしっかり果たした塩谷は文句なしのMVPと言えるだろう。一方敗れてしまったBIGFACEは、ヒットの数がTropicanaと同じく9本と個々の実力差に開きはない。しかし何と言っても9残塁が大きく響く結果となり、チャンスでの勝負強さや大舞台でも動じない精神力を磨き、来季こそはリベンジを果たしてほしい。
【MVPインタビュー】#1 塩谷 天馬
【監督インタビュー】#30 松下 英哲
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