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史上初のワイルドカード対決!過去最多37チームの頂点に輝くのは果たして!?
2012年のリーグ発足から早くも9年目を迎えた2部リーグ。今季も最高峰リーグに次ぐ上位リーグとして、予選からハイレベルなバトルが数多く繰り広げられた。過去最多37チームが参戦を果たした今大会を振り返る。 【Aブロック】 首位から4位までの勝ち点が3点差以内と激しいせめぎ合いとなったAブロックは、昨年勝ち星無しのフェニックスが見事に開幕4連勝を挙げ、執念の首位通過を決めた。2位は2018年に2部昇格を果たしてから、2年連続予選リーグ無敗のブレーブス。今季2戦目で連勝はストップしたものの勢いは止まらず、3年連続で決勝トーナメント進出を決めた。得失点差で3位に滑り込みワイルドカード進出のチケットを手に入れたマリモーズは、黒星発進ながらもその後怒涛の3連勝を飾り、こちらも同じく3年連続で決勝トーナメント進出を掴み取った。今年からVictoriaリーグに参戦した4位のTOKYO NAVYSALESは3戦目に待望の初勝利を挙げ、ここから引き分けを挟み強打で連勝を果たしたが、あと一歩ワイルドカードには届かなかった。とん吉は2年連続で決勝トーナメント進出を果たしていたが、今年は終盤の2連敗が響き5位で終えた。こちらは3年連続で決勝トーナメントに進出していた情熱チキンも今シーズンは6位とまさかの結末に終わり、上位チームに奮闘したものの勝ち切れなかった。7位のアドベンチャーズは開幕6連敗と投手陣が踏ん張れず、チャンスであと一本出なかったのが痛かった。 【Bブロック】 首位で予選を通過したBOOOOONは、下位に沈んだ昨シーズンの経験を糧にチームの生まれ変わりを図り、今年はブロック最少失点と投手陣が躍動した。2018年3部ファイナリストの黒百合は2位通過を果たし、3位との勝ち点は同率ながらも得失点差で僅かに1点上回った。セカンドステージ戦では9得点を奪うなど、この1戦での大量得点が予選通過に繋がったと言える。惜しくも得失点差で3位フィニッシュとなったセカンドステージは、39得点とブロック最多得点を叩き出した一方、31失点を喫した投手陣の再生が来季躍進のポイントとなるだろう。poisonは3勝を挙げ勝ち星では予選通過ラインに乗ったものの、不戦敗での2敗が響いてしまった。PEGASUSも下位に沈んでしまったが、首位のBOOOOON相手にドローと底力は十分なだけに、来季は2014年以来2度目のプロスタ進出を目論む。同じくHOTDOGもBOOOOONとの1戦で白熱の投手戦を展開し、スコアレスドローに持ち込むなど最終戦で意地を見せた。 【Cブロック】 首位から5位までの勝ち点差が4点以内と、最後まで熱いバトルを展開したCブロックで首位通過を果たしたのはユキム ハイエンド ボーイズ。決勝トーナメント進出が懸かった取材試合では、馬場が粘りの完投勝利を挙げれば、主将を務める井澤はタイムリーとなる見事な流し打ちを見せ、投打でのハイレベルなパフォーマンスが印象的であった。2013年より8年連続で2部リーグに参戦を続けるハリウッドは、夏場にまさかの2連敗で決勝トーナメント進出が危ぶまれたが、開幕からの3連勝のうち2試合が完封リレーと投手陣の活躍が目立った。昨年の3部リーグチャンピオンのHeartland1844は、今年もエースの長谷川がシーズン通してフル回転し、ワイルドカードでの決勝トーナメント進出へ大きな原動力となった。惜しくも4位で予選敗退となった葛飾セブンBBCは、首位通過のユキムには引き分け、ハリウッド相手には勝利を挙げるなど上位に食い込む力は十分に備えている。同様に5位アンドバランスも上位チーム相手に善戦するなど、取材試合でのユキム戦では、スイングスピードの速い選手が多く並んでいて、来季以降の活躍に熱い視線を送りたい。2018年4部王者のワイルドスピリッツも敗れてしまったものの、ユキム戦では逆転に次ぐ逆転となる8-7のルーズヴェルトゲームを展開し、見せ場を作った。 【Dブロック】 勝ち点同率により得失点差で見事1位通過を決めた漁火は、不戦勝を含む4試合が1失点以内とエース松永の活躍が光ったシーズンだった。昨季3部ファイナリストのアンバージャックは惜しくも2位通過であったが、唯一黒星を喫したピエールズ戦以外は4試合で合計1失点とこちらも投手陣がチームを牽引し、決勝トーナメント進出を果たした。CHUYANS+は開幕2連勝と好スタートを切ったが後半失速し、まさかの予選敗退。しかし、Returnersとの取材試合では若さ溢れる投手陣の活躍が印象深く、来季は最高峰リーグでの躍動に注目だ。初出場となったピエールズも同じく予選敗退ではあったが、取材試合となった漁火との戦いでは代表の川上を中心に高いポテンシャルを誇示。投手陣は夏場の苦しい時期に松本と見村が完投勝利を飾り、強豪が集結したDブロックでの勝ち点6獲得は間違いなく今後の自信に繋がるだろう。Returnersは初戦で白熱の投手戦を制し2015年以来のプロスタ進出を目論んだが、後半上位チームとの戦いに敗れ下位に沈んだ。GOLDENCLUBも負けが先行した結果となってしまっただけに、来シーズンは巻き返しを図る勝負の1年となる。 【Eブロック】 このブロックで他を寄せ付けず圧倒的な結果を出したのは首位のONESHOT。昨シーズンは3部で予選負け無しと自信をつけ、自主昇格を決めた今季は自分たちの実力が試されるシーズンだったが、予選全勝とひときわ光彩を放ち存在感を示した。2位通過となったフューチャーズは開幕4連勝を飾り、2点差以内の接戦を中村、田口ら投手陣の好投で勝ち切った。La.Menは上位チームに敗れはしたものの強力打線を中心に最後まで諦めず戦い抜いた結果、見事ワイルドカードでの予選通過を果たした。LGは予選で姿を消してしまったがブロック得点数はトップを誇り、来季も強豪校出身の自慢の攻撃陣を軸に悲願のプロスタ進出を目指す。初出場の市川ホーネッツはVictoria初勝利こそお預けとなったが、強豪ブロックで引き分けを含むロースコアゲームも多く、上位チームを脅かす実力は十分。中学校OBで結成したチーム力を武器に2021年は台風の目になり得る存在だ。6位Beachboysは自分たちの実力を示すことが出来ず悔しいシーズンとなったが、高いポテンシャルを武器に来季の巻き返しに期待を寄せる。 【Fブロック】 最後まで順位が変動したFブロックで首位通過を決めたのは、Victoria初出場のわりと平和主義。5戦負け無しに加え失点数は2部リーグ最少の5失点と宇田川、御船、平野の投手陣がシーズン通して見事に責務を果たし、実力を誇示した。2018年2部リーグ3位のSCRATCHも着実に勝ち点を積み重ね、特に和田町ヤンキースとの1戦では、1-6とビハインドの展開から5回表に2HRを含む打者一巡の猛攻で一挙8得点を挙げ、打線が爆発した。勝ち点8で並び、得失点差で見事に3位に滑り込みワイルドカードでの決勝トーナメント出場を決めた和田町ヤンキースは、上鶴間BOOとの最終戦で引き分けに持ち込んだことが大きかった。鍛鷹綻は上位2チームと熱いバトルを展開、両試合共にドローに持ち込み決勝トーナメント進出も見えたが、惜しくも得失点差で予選敗退となった。上鶴間BOOも同じく予選敗退となったが、あだれさんつ戦では6番高谷のエンドランや、代打の大島がセーフティバントを決め追加点を挙げるなど、小技も魅せ勝利をもぎ取った。あだれさんつは大量失点が影響し下位に沈んだが、来季は投手陣の奮起に期待し、チーム名の由来でもある青春時代を共に過ごした仲間と共に歓喜の輪を作りたいところだ。 【決勝トーナメント】 ワイルドカード進出4チームと下剋上を狙うチームがせめぎ合った決勝トーナメントは、マリモーズ、La.Men、和田町ヤンキースのワイルドカード組の3チームが2回戦に勝ち進み、波乱を巻き起こした。一方Aブロック首位のフェニックスは、2回戦SCRATCHとの一戦で八木が完封勝利を挙げ順当に勝ち上がり、Cブロック2位のハリウッドは1回戦のブレーブス戦でサヨナラ勝ちを収め勢いに乗ると、続く和田町ヤンキースとの2回戦は下村の好投に村上ら打線が奮起し7-2と準決勝まで駒を進めた。そんな上位通過の意地と下位からの下剋上を狙ったチームが熱いバトルを展開し、2部リーグファイナリストとして名乗りをあげたのが、互いにワイルドカードから神宮への切符を掴み取ったマリモーズとLa.Menである。マリモーズは1回戦で予選無敗のONESHOT相手に蔵田が勝負を決する特大満塁弾を放ち勢いを増すと、神宮進出をかけた大一番では日下の力投に新井が2打点の活躍で応え勝利を収めた。La.Menは1回戦で長濱が1安打完封と気迫の投球を見せれば、2回戦では中瀬(俊)が全打点&完封と投打の主役となり準決勝に進出。迎えたハリウッドとのセミファイナルでは両チーム互角の戦いを演じる中、終止符を打ったのは實石(航)の一打。打った瞬間に分かるレフトのフェンスを遥かに越える特大HRで劇的勝利を掴んだ。 決勝戦は史上初の両チームワイルドカード進出チームの対戦となったが、この大波乱を誰が予想しただろうか。果たして神宮球場で歓喜の輪を作るのは、参戦5年目にして悲願の決勝進出を決めたマリモーズか。それとも今季自主昇格からの夢舞台進出を決めたLa.Menか。コロナウイルスという見えない敵に対しても屈せず、1年間戦い抜いてきた彼らの勝負の行方は、1月11日に明らかとなる!!
1997年、GM日下の出身校である文京高校野球部の同期で卒業後も集まって野球をやることを目的にチームは発足。同時に加盟チーム数が都内トップクラスを誇る板橋区軟式野球連盟にも参戦した。その後、日下と少年野球時代の球友であった監督の金澤が加入し、チームは楽しむだけの野球から「楽しんで、そして勝つ」ことを目標としたクラブチームへと生まれ変わり、板橋区軟式野球連盟最上級の1部では企業チームを除き、最古参のクラブチームとして活動を続ける。
Victoriaではプロスタで全員野球をすることを目標に掲げ、2016年よりリーグ戦に参加。昨年までは決勝トーナメント2回戦進出が最高成績だったが、5年目にして悲願の神宮進出を決めた。チームは22歳~57歳まで幅広い年齢層の選手が所属し平均年齢は30代後半と、選手の半分以上は現役時代ベンチを温めたメンバーや中学までの野球経験者であり、草野球になってから地道に努力を重ね、進化を遂げた者が数多くいる。
選手として飛び抜けた存在がいない分、個々の力よりチーム力で勝負する野球を磨き、中でも攻撃の中心は打線の核を担う兄弟プレイヤー、兄・健太と弟・良太の関根兄弟だ。塁上を埋めたランナーを関根兄弟が返す攻撃がチームの必勝パターンとなっている。一方で守りの中心は日下-金澤の壮年バッテリーで、工夫に工夫を重ねた投球術と阿吽の呼吸で打たせて取り、チームにリズムを生み出す。投打の中心がいつも通りの仕事を果たし全員野球を見せれば、悲願の優勝に一歩近づくだろう。
2部リーグの頂点を目指し駆け上がってきた彼らは「神宮でもいつもと変わらず、全員野球で楽しみます」と少し控えめに抱負を語ったが、自力でここまで這い上がり数々の強敵を撃破した実績を考えれば、優勝を意識するのは当然だ。
目標としてきたプロスタでの全員野球を実現し、Victoria初タイトルを獲得することが出来るか!?気持ちを一つにマリモーズは決戦の地神宮へと乗り込む!!

#5 松田 裕太 (捕手/外野手)  1996年10月7日生まれ  城西大学付属城西高校~東京国際大学 マリモーズ屈指の若き飛ばし屋。 大学時代に磨きをかけた持ち前のフルスイングで本塁打を量産するチームの主砲だ。 野球にかける情熱はチームNo.1であり、神宮の舞台でも彼の躍動が勝敗を左右する事間違い無し! 『 持ち味のフルスイングで神宮球場のスタンドに放り込みます! 』
#11 日下 直 (投手)  1977年10月8日生まれ  文京高校~東京国際大学
チーム創設時から20年以上チームのマウンドを守り続ける板橋の鉄腕。 「ピッチングは縦幅×横幅×奥行」を信条に緩急を駆使した投球が持ち味だ。 肩、腰、膝の故障を抱え、満身創痍での投球となるが、恋女房金澤とのコンビで神宮に凡打のヤマを築けるか! 『 遅い球をより遅く。"魅せる"不惑の投球で頑張ります! 』
#22 関根 健太 (捕手/内野手) 1981年11月9日生まれ  西武台高校
球に逆らわず、広角に打ち分ける打法で、チームの攻撃の要を担う男。 毎試合熱い言葉でチームに喝を入れ、自分を鼓舞する姿はチームメイトに好影響をもたらしている。 幾度も投手陣を救ってきた堅い守備力と勝負強い打撃で、チームに流れを呼び込む! 『 昨年の決勝トーナメント敗退から、1から野球に向き合ってきました。念願の神宮での試合では準決勝同様チームを勢いづけるバッティングができるよう頑張ります。 』
チームの結成は1990年、地元浅草のメンバーで結成し下町の象徴である「仲間との絆」は計り知れないほど強い。彼らを束ね、今のチームを作り上げたのは2代目監督の川角知宏であったが、2年前に他界。川角知宏の思いを引き継いだ3代目監督の大島は、ずば抜けた選手は少ない中、絶対的なチーム力を武器にこの2年間着実に力を付けてきた。
今年は投手の長濱・遠藤の2枚看板でシーズンを迎えたが、遠藤がケガにより離脱し、長濱が途中1人で投げ切りチームを救ってきた。そんな中、秘密兵器として現れたのが中瀬(俊)。後半は大事な試合で見事な投球を魅せ、決勝進出の立役者となった。打撃面では中瀬、實石(航)、大島がチームを引っ張る中、後続には遠藤、高濱、高際の左の強打者をズラリと並べ、抜け目のない打線が特徴だ。特に實石(航)のスイングスピードは脅威で、2019年Victoria企画のスイングスピード王を決める戦いでは見事チャンピオンとなり、準決勝で放った決勝HRは今年数ある取材試合で見てきた中でも3本の指に入る一発だった。
今年の試合は精神面の弱さからエラーの多さとチャンスの弱さが見られ、チームのスローガンを『勝ちにいく野球』から『病は気から』に変更し、決勝トーナメントでも数あるピンチを切り抜けてきた。決勝でも技術面以上に精神面の課題をクリアすることが出来れば、自ずと頂点が見えてくるだろう。
結成30年のメモリアルイヤーとして初めて辿り着いたプロスタの舞台。途中仲間との予期せぬ別れを経験し、節目のシーズンに懸ける想いは人一倍強い。チームスローガンでもある『病は気から』の共通意識を全員で持ち、亡き川角知宏の魂と共にいざ神宮に乗り込む!!

#3 遠藤 秀太郎 (外野手/投手) 1989年9月25日生まれ  芝浦工業大学付属高校~東海大学
若武者La.Menを引っ張るチーム最年長男。 打ってはチャンスにめっぽう強く、守っては投手・内野・外野をこなすマルチプレイヤーと、投打でチームを救ってきた。 大学時代には神宮球場で現巨人菅野投手からHRを放っており、そのパンチ力は相手投手の脅威となる! 『 2009年の全日本選手権以来の神宮の舞台。いい思い出が作れるように、とにかく楽しくプレーして、また神宮でアーチをかけられたらいいなってこっそり思ってます! 』
#11 長濱 大 (投手) 1991年12月4日生まれ  城東高校~駒澤大学
La.Menの絶対的エースとしてチームを牽引。 多彩な変化球と抜群のコントロールで凡打の山を築き、強打の印象を持つチームを支えてきた決勝進出の立役者だ。 大島監督が「優勝へ欠かせない選手」と絶賛する右腕が神宮のマウンドで躍動する! 『 予選で不甲斐ない投球がありましたが、チームメイトのおかげで決勝まで来ることができました!決勝戦は全力で楽しみたいと思います! 』
#19 高濱 亘 (捕手) 1993年8月17日生まれ  駿台学園高校~千葉商科大学
La.Men扇の要であり、チームをまとめる中心選手。 もともと投手をやっていた経験を活かし、投手と捕手目線の配球で相手打線を的を絞らせない。 若手ながらチームからの信頼は厚く、大舞台でも攻守両面での活躍が期待される! 『 病は気からをモットーに楽しくかつ強いチームを目指してやってきたので決勝も変わらず楽しくやりたいと思います!神宮でやるからには優勝目指して頑張ります。 』