TOP > Victoriaリーグ2部(2020年) > バックナンバー > 「参戦2年目のLa.MenがWカードから2部リーグ制覇!!」
TEAM1234567R
  マリモーズ      0        0        0        0        0        0        3        3    
  La.Men      0        0        3        2        0        0        ×        5    
共に全員野球を貫いた激闘はLa.Menに軍配!粘るマリモーズ退け悲願の初優勝!
今季一番の寒さとなるも、早朝から激闘を演じ選手たちの熱気は冷め止まない聖地・明治神宮野球場。Victoriaファイナル2日目の3試合目で行われたのは「マリモーズ × La.Men」の2部リーグ決勝戦である。
戦いの先攻は1997年にGM日下を中心に発足し、板橋区軟式野球連盟最上級の1部では企業チームを除き、最古参のクラブチームとして活動を続けるマリモーズ。Victoria参戦5年目の彼らは昨年まで決勝トーナメント2回戦進出が最高成績であったが、今季はワイルドカード1位で決勝トーナメントに進出すると、1回戦では予選を全勝で勝ち上がってきた優勝候補筆頭のONESHOTとのサドンデスに及ぶ死闘を制して波に乗り、ファイナルの舞台まで一気に駆け上がってきた。創設時から20年以上マウンドを守り続けているGMの日下は肩、腰、膝の故障を抱え、満身創痍での投球となるが「遅い球をより遅く。"魅せる"不惑の投球で頑張ります!」とコメントし、ベテランならではの投球で守備からリズムを作り頂点を目指す。
対する後攻は、昨年所属していた3部リーグからより高いレベルを求め、自ら2部へと昇格を果たしたLa.Men。持ち前の高い総合力は上部レベルでも健在で、マリモーズ同様にワイルドカードでの決勝トーナメント進出と苦戦を強いられたものの、昇格初年度で見事ファイナル進出の快挙を成し遂げた。今季は長濱、遠藤の左右の投手2枚看板でシーズンを迎えたが、遠藤のケガによる離脱でシーズン序盤は長濱が1人で投げ切りチームを救ってきた。そんな中、秘密兵器として現れたのが中瀬(俊)で、後半は大事な試合で見事な投球を魅せ、決勝進出の立役者となった。そして何より今のチームを作り上げた2代目監督である亡き川角知宏に吉報を届けたいところだ。 共にワイルドカードからの下剋上でファイナルまで辿り着いた両者の戦いは序盤、La.Men長濱、マリモーズ日下の粘り強い投球が際立つ展開となった。1回表マリモーズの攻撃、La.Men長濱がストライク先行のテンポの良い投球で三者凡退と上々の立ち上がりを披露するとその裏、La.Menは先頭が倒れるも2番高濱がフルカウントから四球を選び出塁。スコアリングポジションにランナーを進めたいLa.Menであったが、マリモーズ日下がそれを見透かしたかのように抜群のタイミングで牽制を入れると、1塁ランナーの高濱が飛び出し1,2塁間に挟まれるが、ファーストの悪送球で2塁へ進塁。思ってもみない形で先制のチャンスを迎えたLa.Menだったが、3番高際は外角の球を打たされサードフライ、4番大島も外角の抜いたボールに手を出してしまいサードゴロに倒れ、マリモーズ日下の不惑の投球が光る立ち上がりとなった。
試合が動いたのは3回裏、マリモーズは早くも2回無失点の日下から武田に繋ぎ継投策を試みるが、ここでLa.Men強力打線が襲い掛かる。先頭の9番天野がサード強襲ヒットで出塁、すかさず初球に盗塁を決め一打先制のチャンスを迎えると、1番中瀬(俊)が1、2塁間を破るタイムリーヒットを放ち、2塁ランナー天野が俊足を飛ばしてホームイン、La.Menが鮮やかに先制点を挙げる。更に1塁ランナー中瀬(俊)が盗塁を決めノーアウト2塁と再びチャンスを作るが、2番高濱は変化球を打たされレフトフライで1アウト。続く高際の5球目、2塁ランナー中瀬(俊)が隙をつき三盗を仕掛けると、これがキャッチャーの悪送球を誘い、このイニング2点目を奪う。攻撃の手を緩めないLa.Men打線は、高際が四球、大島が内野エラーで出塁し1アウト1,3塁とすると、ここでマリモーズは左腕の本木にスイッチする。しかし、5番遠藤が追い込まれながらも直球を引っ張り、1,2塁間を抜くタイムリーヒットで3点目を追加し、La.Menが序盤で主導権を握る。 4回表、2番から始まる好打順で何とか1点を返したいマリモーズであったが、2番保坂、3番松田、4番友利が3者連続で内野ゴロに打ち取られ、La.Men長濱が凡打の山を築きここでも流れを渡さない。
一気に突き放したいLa.Menは4回裏、先頭の8番祖山がセンター前ヒットで出塁すると、2アウトとなるもここで迎えるは好投の長濱をリードする女房役高濱。フルカウントから振り抜いた打球はライトの頭上を越え、快足を飛ばした高濱はダイヤモンドを1周しランニングホームラン。La.Menが5-0と突き放し、ベンチもこの日一番の盛り上がりを見せる。
すると、ここから両チームは毎回ピッチャーを投入する継投策に入る。La.Menは5回表に野村、6回表に生井沢で繋ぎ、一方のマリモーズも5回裏に関口、6回裏に福田を投入。この継投策が功を奏し、5回,6回は両チーム無得点で試合が進み、4投手の素晴らしい投球で試合が落ち着いたかに見えた。
しかし迎えた最終7回表、La.Menは今季大活躍の中瀬(俊)を抑えに起用し逃げ切りを図るが、ここでマリモーズが途中出場のメンバーを中心に意地の反撃を見せる。先頭の代打佐藤が死球で出塁すると、6番の久保が詰まりながらも気持ちでライト前に打球を運び、1アウト1,2塁のチャンスで打席に立ったのは8番の吉田。カウント2ボールのヒッティングカウントから直球を完璧に捉え、打球は左中間を破るタイムリー2ベースヒットとなり、マリモーズが待望の1点目を挙げる。
更に1アウト2,3塁のチャンスで9番の新井を迎えるが、ここは中瀬(俊)がキレのあるスライダーで三振に仕留め優勝まであと1アウト。絶体絶命の場面で打席に入った1番の馬見新、1ボール2ストライクから何とか食らいついて当てた打球は力なくキャッチャーの前へ。万事休すかと思われたがキャッチャーの高濱がまさかの悪送球、3塁ランナーがホームに還り1点を追加。土壇場で追い上げを見せるマリモーズは、2アウト1,3塁からバッテリーミスにより更に1点を返し、3-5と一気に2点差まで詰め寄る。一発出れば同点とマリモーズベンチは奇跡を信じる中、球場の誰もが固唾を飲んで見守った戦いの結末は、最後まで冷静さを失わなかった中瀬(俊)に軍配。カウント3-1から並里が振り抜いた打球は無情にもライト正面に飛び、最後はライトを守る高際が落ち着いて捕球しゲームセット。La.Menは最終回に苦しむも序盤のリードを守り切り、昇格初年度で2部リーグ制覇の快挙を達成した。 ゲーム後、優勝インタビューに答えた菅谷主将は「最高です!!」と球場に響き渡る声で喜びを表現し、更には「下町の仲間が集まっており、仲が良いチームです」と、強さの秘訣はチームワークにあると話してくれた。1部に昇格する来季については「今シーズン神宮に来れたので、来シーズンも神宮に来れるように頑張ります」と意気込みを語り、2代目監督の亡き川角に向けて天国へ吉報を届けた。
一方、5点ビハインドの最終回に怒涛の反撃を見せ、ゲームを大いに盛り上げてくれたマリモーズ。先発メンバーが全員交代するなど試合前の宣言通り「全員野球」を貫いたが、今回の神宮の経験は選手個々の財産となり必ず来季に活きてくるはずだ。La.Men同様に1部昇格となるマリモーズだが、来季も彼らの動向を注視したい。
【MVPインタビュー】#11 長濱 大
【監督インタビュー】#30 大島 卓也
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