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Victoria常連組が檜舞台で激突!神宮決戦を制し最高峰への階段を上るのは!?
【Aブロック】毎年2部リーグでは新星チームが大会を盛り上げ、今季もリーグ初参戦のDestroyersがAブロックの首位を飾った。春先の取材試合では、片峯が圧巻の完投勝利に加え身体能力の高い選手が多く在籍し、数年後にはリーグを代表するチームとして成長するに違いない。情熱チキンは今季もエース山田の活躍もあり2年連続で決勝トーナメント進出を決め、アンドバランスとハリウッドは惜しくも決勝トーナメントには届かず3勝に終わったが、毎年2部リーグを盛り上げる存在なだけに来季こそ一花咲かせてもらいたい。下位にはTOKYO OVERDOSE、Vichyssoise、TOKYO NAVYSEALSの3チームが2勝で並んだが、彼らの戦績を振り返っても上位チームとは紙一重の差で、来季の巻き返しに期待する。 【Bブロック】振り返ると上位2チームが頭一つ抜け、得失点差でPHが首位通過を決めた。PHエースの米望はシーズンフル回転の活躍を見せ、中でも真夏のダブルヘッダーを2完投したスタミナは圧巻だった。BOOOOONは惜しくも2位通過となるも3年連続で予選通過を決めた実力は見事なもので、長年2部リーグを支えるチームとして存在感を示す内容となった。残念ながら予選敗退となったスマッシュブラザーズ、KAMIYUBI BCは共に身体能力の高い選手が多く優勝候補の一角として注目をしていたが、来季はリベンジを果たし初のプロスタ進出を目論む。とん吉、RADIX、AG DOGSは不戦敗なども重なって1勝に終わり、特にとん吉にいたっては昨季2部ベスト8の好成績を残しただけに来シーズンは奮起を誓う。 【Cブロック】5戦全勝で昨季に続き2部リーグ決勝トーナメント進出を果たしたグレイトシャークスビヨンドはCブロックで圧倒的な戦いぶりを展開し、強豪が鎬を削る中で中村、吉澤(一)、笹沼、三宅と豊富な投手陣がチームを支えた。2位にはジョニーが入り、Tokyo Volk戦で見せた榎本のNO-NOは大きなインパクトを与え、惜しくも3位で予選敗退となった江戸川GLITTERSは、ジョニー榎本と石野田が魅せた投げ合いは見応えある好ゲームで、最終戦でも磯がサヨナラ打を放つなど見せ場を作った。Tokyo Volkと三郷メッツは下位に沈むものの上位相手に接戦が多く実力も僅かな差で、来季以降も彼らの戦いに注目したい。 【Dブロック】上位3チームの勝ち点は僅かに3点と混戦を極めたDブロックで首位通過を決めたのはHeartland1844。エースの長谷川は夏場でも暑さの影響を見せず終盤の2完投勝利は見事な内容だった。そのHeartland1844相手に唯一の黒星となったSCRATCHは春先の3連勝がチームを勢い付かせ、中でも片岡が投打で活躍を魅せつけ2位通過の立役者となり、Harrierは上位2チーム相手に引き分けと黒星を喫するも最終戦となった成瀬ホーネッツとの真夏の乱打戦を制し、ワイルドカードでの決勝トーナメント進出をもぎ取った。鍛鷹綻と成瀬ホーネッツは自力での勝ち点を奪えなかっただけに投手陣の奮起に期待し、来季は決勝トーナメント進出を狙う。 【Eブロック】実力者たちが揃う中、ひと際輝きを放ったのは参戦2年目の東玉川野球大人会。初戦からコールド発進で勢いに乗り、最終戦も村松が先制打&完封と大車輪の活躍を見せ首位通過を果たした。東玉川野球大人会に唯一の土を付けたのは和田町ヤンキースで、最終戦の石井が放った満塁弾が勢いを与え、チーム初の自力での決勝トーナメント進出を決めた。ROUTEESは惜しくも3位フィニッシュで予選敗退となるも取材試合で魅せた46歳のエース香川の投球術は素晴らしく、ベテラン勢が際立った活躍を見せた。昨季の4部ファイナリストBAEZは2部リーグへ挑戦するも自力での勝利は1勝のみと苦戦を強いられ、同じくピエールズ、slopesも1勝4敗と見せ場を作ることが出来ず、若いメンバーが多いだけに歯車が噛み合えば楽しみな存在である。 【Fブロック】勝利した4試合は全て2失点以内に抑え投手力が光った首位通過の清瀬ロングコックスは、今季からエースとして活躍する高桑がチームを牽引した。2位通過の黒百合は清瀬ロングコックス相手に黒星を喫するもエースの遠藤がシーズン序盤に見事なピッチングを繰り広げ、チームに勢いを与えた。STBCはリーグ戦2敗と予選通過には厳しい内容となったが、2部リーグ最多の37得点と圧倒的な得点力を見せつけ、攻撃力を武器に僅か2枠のワイルドカードを掴み取った。予選敗退となったもののブロック最少失点の(株)岩建ホームテックの投手力は目を見張るものがあり、同じくNexuSは1位通過の清瀬ロングコックス相手に7-0と完封勝利を収めただけに、この両チームは来季主役の座に躍り出るチャンスは十分に秘めている。 【Gブロック】2部リーグ最少失点の僅か2点と圧倒的な投手力を武器に首位通過を決めたブレーブス。山口、メンディス、村山の3枚柱の活躍で他を寄せ付けず、2位には昨季3部リーグ準VのAvengersが予選通過を決め、昇格後も枚数豊富な投手陣を揃え勝ち星を積み重ねた。poisonは惜しくも予選敗退となったが、今季大量にメンバーが入れ替わる中で夏場以降はリーグ戦に加えトーナメントでも好調を維持し、来季の活躍が楽しみな存在である。上位相手に善戦するも下位に沈んだ笑祭、ペガサスは2部リーグで上位進出経験があるだけに、その実力は確かである。HOT DOGも主将の内藤がチームを鼓舞し、まずは予選通過が目標だ。 【決勝トーナメント】激闘となった予選リーグが終わり、息つく間もなく始まった決勝トーナメントは首位通過チームが順当に1回戦を勝ち上がる中、期待の新星東玉川野球大人会、リーグ最少失点のブレーブスが初戦で姿を消す波乱の幕開けとなった。続く2回戦でもDestroyers、Heartland1844、清瀬ロングコックスのリーグ首位通過のチームが続々と姿を消す中で、見事にファイナル進出を果たしたのは2015年以来7年ぶりの神宮進出となったPHと、13年越しの悲願を果たしたSCRATCH。
リーグ開幕から好調を維持するPHは、決勝トーナメントに入ってもエース米望が圧巻の投球を披露した。米望は予選に続いて決勝トーナメント初戦からダブルヘッダー2試合を投げ抜き、プロスタ進出が懸かったセミファイナルでは、鹿本の決勝打に米望が3試合連続完投と一昨年の雪辱を晴らし7年ぶりに神宮へ返り咲いた。一方のSCRATCHは予選2位通過ながら初戦の東玉川野球大人会戦で、上原の一発含む5HR11得点の快勝で勢いに乗ると、2回戦の清瀬ロングコックス、準決勝のSTBC相手には共に1-0と両試合で鷲尾が好投を魅せ、長年にわたる悲願達成となった。プレイボールが待ち遠しい決勝戦は、PHは絶対的エース米望の先発が予想されるがSCRATCHも好投手を揃えるが故、打線の援護がカギとなるだろう。対するSCRATCHは米望相手に大量得点が望めない中で、立ち上がりを攻め立て相手の隙を突く攻撃がポイントとなるに違いない。どちらが勝ってもVictoria初タイトルとなる戦いの火蓋は、12月11日13時30分に切って落とされる!!
遡ること今から2年前、現代表兼監督の八木がエースとして大車輪の活躍を見せるも2部リーグ準決勝敗退とあと一歩の所で涙を呑み、その敗戦をきっかけにチーム改革に着手。個々の技術・意識の向上を常に念頭に置き、八木を中心にチーム再編を行ったが昨年はまさかの2部リーグ予選5位で姿を消し、2015年にファイナル進出経験がありながら近年は苦しいシーズンを過ごしてきた。
結果には恵まれない中でもチーム再編後、ストロングポイントである個性豊かなメンバーの能力を最大限に引き出すため、自由に選手個人が考えて野球に取り組むように努め、その結果チームとしての底上げにも繋がった。また、新戦力メンバーも加わったことで選手層に厚みが増し、競争意識も高まったことによりチームとして団結力がより一層生まれる結果となった。 そして迎えた今季、長年エースとしてチームを支えたベテラン八木から米望がその座を譲り受けた。八木の魂を継承した米望は年間通してマウンドを守り切り、今季のターニングポイントとなったのは予選中盤に炎天下でのダブルヘッダーを経験し、苦しい状況でも集中力を切らすことなく戦った。一度噛み合った歯車は狂うことなく、その後の予選、決勝トーナメントの快進撃へと繋がり7年ぶり2度目の神宮進出を決めた。
前述した通り、今季のPHを語る上でエース米望を触れずにはいられない。米望は春先のBOOOOON戦で完投勝利を挙げ幸先良いスタートを切ると、圧巻だったのは予選、決勝トーナメントと2度に渡りダブルヘッダーを一人で乗り切ったスタミナには誰もが舌を巻き、2部リーグに衝撃を与える結果となった。そのダブルヘッダーを共に乗り切った扇の要の棚澤のインサイドワークも光り、シーズン中も最少失点で切り抜けた鉄壁の内・外野陣も攻撃にリズムを与えることだろう。
打線では注目選手のリードオフマン鹿本、3番の贄、主砲の松野と好選手が打線の中心を担い、中でも鹿本は今季2度の決勝打を放ち、得点圏にランナーを置いた鹿本の打席にはひと際注目したい。走・攻・守に加え野球脳が高いメンバーが揃い、どんな状況下からでも勝利へ突き進むPHは最高の状態でファイナルを迎え、代表兼監督の八木も「長年このチームを率いて来ましたが、間違いなく今が一番強い状態だと自負しています」と戦いを前に力強く語ったのが印象的だった。
果たして結成20周年となるメモリアルイヤーに華を添えるべく、勝利の女神は彼らに微笑むか!チーム初タイトル獲得に向け全員野球で頂点を狙う!!

#4 贄 隼人 (内野手)  1996年2月20日生まれ  浦和学院高校~国際武道大学 走攻守すべての能力に優れたチームに欠かせない核となる選手。 甲子園優勝経験を誇るセンス抜群の男は的確な状況判断で常にチームを引っ張り続ける。 神宮の舞台でも広角に打ち分けるバットコントロール、守備でのユーティリティ性、隙を突く走塁に注目だ! 『 野球ができることに感謝し、チームの勝ちに貢献できるよう役割を全うし優勝します!! 』
#6 鹿本 慈音 (外野手)  1993年3月20日生まれ  八代工業高校~龍谷大学
PHのリードオフマンであり、メンバーに愛されるキャラクター的存在。 高い打率・出塁率を誇り、状況による打ち分けや小技を繰り出し、投手にとっての難敵となる選手だ。 準決勝でも初回の出塁に加え先制打を放っており、神宮でも彼の出塁がチームを優勝へと導く! 『 コロナ禍での日頃のストレスを試合で発散して優勝します! 』
#23 松野 純知 (内野手) 1992年4月21日生まれ  桐蔭学園高校~中央大学
八木監督が全幅の信頼を寄せるPHを牽引する若きキャプテン。 常にチームの事を考えメンバーを鼓舞し、決して諦めずにプレーに集中する姿は今季のPHを象徴する存在だ。 数々の場面で脅威の集中力を発揮しチームを救ってきた男が決勝の舞台でも躍動を誓う! 『 今年から主将になりこの舞台に来れたこと、チームメイトに感謝です。必ず優勝します。 』
SCRATCHの結成は2001年、幸山監督が学生時代に過ごした同期で立ち上げたチームはその後信頼を置く後輩や活きのいい若手が加入し、今は平均年齢30歳と草野球経験豊富な選手が多数在籍する。Victoriaには創設期から参戦し、最高成績は2018年に2部リーグ3位と好成績を収めた実績はあるが、プロスタにはあと一歩届かなかった。翌2019年は2部リーグ予選敗退、ここ2年は決勝トーナメントに進むも接戦をものにできず、歯痒いシーズンが続いていた。
今季は狛江市軟式野球連盟大会3連覇に加え、東京都市町村軟式野球決勝大会にも参戦。企業チームや各市町村の代表チームとレベルの高い野球が出来たのも大きな収穫となり、決勝では東京都1部秋覇者に破れたものの準優勝と大健闘の結果を残した。その勢いのままVictoriaでも予選2位通過ながら決勝トーナメントで強豪を次々と撃破し、準決勝のSTBC戦では0-0のまま進んだ最終回裏の攻撃、1死満塁から8番神谷のサヨナラヒットで13年越しの悲願を叶え、神宮ファイナル進出を決めた。
2022年シーズン飛躍の要因は30試合以上こなしてきた実戦経験と、今季監督の目に留まり集められたマシンガン打線が好調で、年間チーム打率は驚異の3割を超える。その打線を引っ張るのは現在チーム首位打者の3番小林で、ここまで打率5割と今最も勢いに乗る男だ。そして打率4割トリオのチームHR王5番上原、出塁率5割超の1番相羽、得点圏打率4割に加え打点王の4番菅原が攻撃の中心としてチームを支える。強力な打者を並べるが故、サインとバントは無いも同然で今季は力で並みいる強豪をねじ伏せてきた。長年投手不足であったSCRATCHだが昨年加入の片岡、今季途中から加入の鷲尾と140キロを超える投手2枚を揃え、中でも鷲尾はセミファイナルで強力打線のSTBCを1安打に抑えた投球は、見事の一言だった。それに加え40代の技巧派山上をはじめ、鉄壁のディフェンスにも注目したい。
まだまだポテンシャルの秘めているメンバーで構成されたSCRATCHは、「1番伝えたいことは、美人マネージャー募集しています(笑)」とユーモアのあるコメントを残したが、いつも通り試合後の飲み会の事を考える余裕を持った「平常心」で戦うことが勝利へのポイントとなるだろう。 チーム結成から20年、SCRATCHの歴史に新たな1ページを残すべく総力戦で戦いに挑む!!

#0 菅原 力弥 (内野手) 1991年7月22日生まれ  秋田商業高等学校~横浜商科大学
お笑い芸人の和牛水田にそっくりなSCRATCH不動の4番ビッグマム。 チャンスにめっぽう強いチームの打点王であり、打率4割超え、得点圏打率4割超えを誇る強打者だ。 甘い変化球を好物とし、振り遅れた逆方向への凄まじい打球にはライトスタンド要注意? 『 神宮決戦までに、まずはダイエット。笑 』
#1 相羽 将一 (外野手) 1991年5月13日生まれ  知徳高等学校~道都大学
実力派揃いのSCRATCHを束ねるキャプテン。 遠投110m、50m6.0秒のスイッチヒッターは出塁率5割を誇り、本塁打を量産するパワーにも注目だ。 狛江のジャスティンビーバーが神宮の舞台で女性ファンの心を鷲掴みにする! 『 優勝したら幸山監督がATMごと持って打上げやるぞって言ってました。笑 何としても監督を神宮で胴上げします!笑 』
#9 小林 孝也 (外野手) 1993年1月22日生まれ  佐世保実業高等学校~横浜商科大学
チームトップの年間打率5割を超える、佐世保育ちのファンタジスタ。 打撃の対応力が高く、守備は内外野守れ、実家が駄菓子屋という三拍子揃った規格外のセンスで不動産会社を設立。 いよいよ田舎面の長崎最強バットマンが都会・神宮球場に上陸する! 『 あんたでもいいよ 』