TOP > Victoriaリーグ3部(2018年) > バックナンバー > 「先制点をエースが死守!新星RADIXが最激戦区3部を制覇!!」
TEAM1234567R
    黒百合        0        1        0        0        0        0        0        1    
    RADIX        2        0        0        0        0        0        ×        2    
僅差の戦いを制し初タイトル獲得!初参戦RADIXが全員野球で3部の頂点に!!
時折晴れ間ものぞいた第1試合より雲が広がり始めた12月23日、午前10時20分。そんな決戦の地・明治神宮野球場を舞台に、この日の第2試合として行われたのは、4部の一戦に続き初の栄冠を目論む両雄のバトル、「黒百合 × RADIX」の3部リーグ決勝戦である。 戦いの先攻は、2015シーズンの初参戦から数える事4年の月日が流れた今季、遂に決勝の舞台へと歩みを進めてきた黒百合。そんなチームの指揮を執る野田監督はゲーム前、「やっとここまで来れたので、何とか最後1つ勝ってみんなで美味しい酒を吞みに行きたいなと思っています。チーム状態としても良い感じできているので、ホントに今日はお祭り騒ぎといった感じで、わくわくしています。その中で勝負のポイントとしては、まずは先発ピッチャーの遠藤がどれだけRADIX打線を抑えられるかだと思いますね。あとは、攻撃陣の軸となる1番出口、2番武藤、4番の堀を中心に得点を積み重ねていけるかだと思います。とにかく相手は強豪なので厳しいゲームになるとは思いますが、この大舞台を目一杯楽しみながら、その中で優勝出来れば最高だなと思うので、チーム一丸となって頑張りたいと思います」と語り、悲願の初優勝に向かってコンディション、モチベーション共に準備万端といった様子。
また、キーマンとして名前の挙がった遠藤は、「神宮のマウンドは初めてなので緊張している部分もあるんですが、強気のピッチングで相手打線をねじ伏せられるように頑張ります。調子としては投げてみないと分からないですが、ここまで来たら自分の持てる力を出し切って勝利に貢献したいと思います」と話し、チームを優勝に導くべく奮投を誓った。 対する後攻は、初参戦ながら抜群のチーム力を発揮し、瞬く間に決勝の舞台まで勝ち上がってきた新星RADIX。そんな大注目のチームを率いる田口監督はゲーム前、「ここまで来たらやるしかないなと思っていますし、勝っても負けても最後なので全力を尽くして自分達らしく、悔いなくやるだけですね。勝負のポイントとしては、今日も先発を任せる天野が必ず3失点以内には抑えてくれると思っていますので、上位打線で如何に点を取っていけるかという所と、加えて言えば下位打線の頑張り次第で得点力が変わってくると思うので、そこの奮起にも期待しています。とにかく今日は社長の本間も見に来ていますので、社長が来たら負けるというジンクスを作らない為にも何とか優勝を掴み取りたいなと思っています」とコメントし、Victoria初のタイトル奪取に向け気合い十分。
また、この大一番も先発のマウンドを託された天野は、「めちゃめちゃ緊張していて、ちょっとヤバいですね(笑)。調子としてはぼちぼちですが、ここまで来たら調子うんぬんは言ってられないので、全力で頑張ります」と話し、言葉こそ少なめであったが、絶対的エースとしての強い覚悟を窺わせた。 そんな新旧の勇者が初タイトル奪取を懸け相対する事となった戦いの火蓋は、稲垣(誠)主審のプレーボールで切って落とされ、ゲームは序盤から動きを見せた。1回表、先発の天野が対峙した黒百合上位打線をショートゴロ3つに抑える文句無しの立ち上がりを披露し、流れを作ったRADIX。その裏、リードオフマンの1番林が死球をもらい出塁、続く2番伊藤の場面で仕掛けたエンドランが見事に決まり、あっという間に2、3塁のチャンスを作り出すと、いきなりのプレッシャーに動揺したのか、迎えた3番國嶋という場面で黒百合バッテリーにワイルドピッチのミスが生じ1点を先制。さらには、1アウト3塁となった場面で迎えた4番幸田が、遠藤の投じた決め球の変化球を逆らわずにライト前へと運ぶ快心のタイムリーを放ち2点目。RADIX自慢の上位打線が足も絡めた波状攻撃で2点の先制に成功し、幸先の良いスタートを切った。
だがゲームは直後の2回表、先制点を許した事で目の覚めた黒百合打線がすかさず反撃開始。この回先頭の4番堀が俊足を活かした内野安打で出塁したのを口火に、5番有村の死球出塁に意表をついたダブルスチール成功で同じく2、3塁のチャンスを演出すると、続く6番齋藤の放ったピッチャーゴロの間に3塁ランナー堀がホームに生還し1対2。尚も続いたチャンスでは、天野の前に凡退し同点、逆転とまではならなかったものの、このまま独走を許してなるものかと反撃の狼煙を上げた。 序盤から激しい攻防を繰り広げる事となった両者の戦いだったが、一転、中盤以降は手に汗握る投手戦と化した。
2回のピンチを最少失点で切り抜けた天野が3回に続き、4回も3人で仕留める好投を披露すれば、対する遠藤は2、3回も得点圏にランナーを背負う苦しいピッチングを強いられながら、初回とは違う粘りの投球で追加点を許さず対抗。さらに、2番手としてマウンドに上がった冨永が4、5回を1人の出塁も許す事なくパーフェクトな中継ぎを見せつけると、6回からマウンドに上がった3番手の高津も1回を3人でピシャリと抑え、攻撃陣の奮起を待った。
しかし、そんな黒百合投手陣に負けじと力投を見せたのが天野だった。5回表、この日2度目となったピンチの場面を見逃し三振とセカンドゴロに打ち取り無失点で切り抜ければ、続く6回表は1番から始まった黒百合打線を内野ゴロ2つとキャッチャーへのファールフライに仕留め三者凡退。さらに迎えた最終7回表は、この回先頭の4番堀に与えてしまった死球と代打竹越の送りバントで同点のランナーを2塁に背負うが、続く6番齋藤をサードゴロに仕留め2アウトとすると、最後は7番小林を抜群の切れ味を誇るスライダーで空振り三振に封じゲームセット。スタート直後にもらった攻撃陣の援護を最後まで1人で守り抜いた天野の熱投は勿論の事、その天野を堅守で支えたディフェンス陣に加え、ベンチ、スタンドから声援を送った選手、スタッフ家族、社員全ての力を結集させたRADIXが、僅差のバトルを制し見事初出場での初優勝を手にした。 ゲーム後、勝利インタビューに答えた田口監督は、「素直に嬉しいのと、あとはこのメンバーでここまで来れるとは思っていなかったので、本当に監督冥利に尽きる試合でしたね。試合展開を振り返ると、やっぱり初回に2点を入れたのは凄く大きかったですね。ちょっと球場の雰囲気に吞まれてしまって苦しい展開でしたが、何とか逃げ切れて良かったです。とにかくウチは天野頼りのチームなので、今日も良く頑張ってくれましたし、ここまで来れたのは彼のおかげだなと実感しています。また今日は社長の本間も見守る中での試合で何人かはビビりながらやっていたと思うんですが、社長の一声でここまで来たチームなので、その社長の前で優勝出来て良かったなと思います。これで来年は2部での戦いになりますが、何とかまたここに戻って来れるように全員で協力してやっていきたいと思います」と話し、優勝を勝ち取った選手達を労うと共に、来季の躍動を力強く誓った。
一方、あと一歩及ばず敗れたものの、最後の最後まで諦めない姿勢を貫き戦い抜いた黒百合。ゲーム展開を振り返れば、何度か同点、逆転のチャンスもあっただけに悔しい敗戦となってしまった彼ら。だが、Victoria参戦4年目にして掴んだ大舞台での経験は、必ずや彼らの大きな糧となり、来季以降のさらなる活躍に繋がるであろう。
【MVPインタビュー】 #7 天野 一歩
【監督インタビュー】 #30 田口 哲也
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