TOP > Victoriaリーグ4部 supported byファンゴユニフォーム(2021年) > バックナンバー > 「2年目GR2が初優勝!4部初のWカードから下剋上完遂!!」
長期連勝対決はGR2に軍配!福地がVictoria史上初のファイナル2ホーマー!!
終日天気にも恵まれ、空風が吹くこともなく綺麗な夕日が沈みかける1月9日16時45分。明治神宮野球場で行われたVictoriaファイナル2021、初日の第4試合はVictoriaリーグ4部 supported byファンゴユニフォーム決勝戦「GRADE RIZE 2nd × BAEZ」である。
戦いの先攻は予選から全勝で勝ち上がり、更にはシーズン無敗記録を更新中のBAEZ。今季絶好調の彼らは各選手の能力も高く、1番から9番まで抜け目のない打線が特徴だが、細かい作戦は駆使せず「ノーサインベースボール」を貫きここまで勝ち上がってきた。戦いを前に先発マスクを被る高松は『決勝戦も楽しく勝ちたいと思っています。そのためにも神宮でホームランを打ちたいと思います!』と神宮での一発を宣言した。
一方の後攻GRADE RISE 2ndはワイルドカードからの下剋上となったが、決勝トーナメントから波に乗り、この日まで長期連勝中とこちらも負け知らずの状態で神宮へ乗り込んできた。そんなチームは東は北海道、西は沖縄までと全国各地バラエティに富んだ27名の精鋭が顔を揃え、チームのムードメーカーである洲脇は試合前『優勝してWカードからの下克上を達成し、仲間と最高の思い出を作りたいと思います!』とチームの顔として力強い言葉を述べた。 互いに長期に渡る連勝記録を更新中と見ごたえたっぷりの一戦は、福田主審のプレイボールで切って落とされ、試合は寒さも吹き飛ぶ熱い戦いとなった。1回表、守備についたBAEZの先発は荻原、防御率0.90と抜群の安定感を誇るBAEZ右のエースの一角だ。初回から攻め立てたいGRADE RISE 2ndは、先頭の洲脇が慎重に低めを突く荻原のストレートを上手く見極め、1球も振らずフォアボールで出塁。続く2番福地は、自慢の足を活かそうとセーフティー気味に三塁線へ転がし、サードの安達が懸命に1塁へ送球するも福地の足が勝り、ノーアウトランナー1,2塁と得点圏にランナーを置く。3番に入るのは好打者の新津、ここは打ち気にはやる気持ちを我慢してしっかり選び四球。荻原は初回から絶体絶命の場面を迎えるが、ピンチにも動じず粘り強いマウンド捌きを披露した。ノーアウト満塁で迎えるのは4番関根、荻原もギアを一段階上げ6球粘るもここはキャッチャーフライで1アウト、5番川崎は外寄りのストレートを引っ掛けピッチャーゴロで2アウト、ここで落ち着きを取り戻したマウンドの荻原。6番谷口の場面ではベンチからの激励に時折笑顔も見せ、最後はアウトコース高めの変化球を投じてサードゴロに打ち取り無失点で3アウトチェンジ。BAEZは初回の大ピンチを0点で切り抜けた。
1回裏、絶好の得点機に一本が出なかったGRADE RISE 2nd先発のマウンドに上がるのは本間。全ポジションを守れるユーティリティープレイヤーとしてこの日の先発マウンドを任され、初回のチャンスを活かせず若干悪いムードが漂う中、1回から見事なピッチングを披露する。BAEZ1番の大石は8球粘って四球で出塁、続く2番増田はファーストゴロに倒れるも1塁ランナーは進塁し、BAEZも初回から得点圏にランナーを置いた。ここで力強いスイングが持ち味の注目選手本間が打席に立つが、2球目を打ちライトフライで2アウト。同じく注目選手の4番高松もファールで粘りを見せるが、最後は変化球に体制を崩されセカンドフライで3アウト、本間も相手先発の荻原に負けじと見事にピンチを無失点で切り抜け、味方の援護を待つ。 迎えた2回表、ここでGRADE RISE 2ndに大きな花火が打ち上がる。先頭の7番峯はピッチャーフライに倒れ、続く8番柴もセカンドへ打ち上げるも相手守備の乱れからラッキーなヒットで出塁。BAEZ荻原はここから突如制球を乱すと、8球ボールが続き2者連続のフォアボールで1アウトランナー満塁と、初回に続き絶体絶命のピンチを迎えた。再び訪れた満塁の場面で迎えるは、前の打席に技ありバントヒットを決めた福地。カウント1-1からの3球目、インコースやや高めの直球を振り抜き、打球は右中間を破ってボールは転々と転がりフェンスまで到達。3人のランナーは悠々と生還し3-0、そしてバッターランナーの福地も快速を飛ばしホームへ突入。クロスプレーとなるがキャッチャー高松のタッチをかいくぐり生還、このチャンスに福地は見事にグランドスラムで応え、GRADE RISE 2ndは4-0と試合を優位に進める。
しかしBAEZも裏の攻撃、GRADE RISE 2nd本間に襲い掛かる。この回BAEZは5番の高橋から始まる好打順、打席の高橋はエース荻原を援護しようとカットで粘る。高橋は7球投げさせ最後は低めの直球を見逃してフォアボールを選び、初回に続きノーアウトでランナーが出塁。続く井上は3球目を引っ張ると、強く飛んだ打球はサード谷口のグラブを弾き、更に送球が逸れる間に1塁ランナーの高橋は一気に3塁を陥れ、ノーアウトランナー1,3塁とチャンスを広げた。一本が欲しい場面であったが、7番竹林は初球を振り抜き打球はピッチャー正面へ転がり、ここは本間が落ち着いて捌き1-4-3のダブルプレー。3塁ランナーは動けず一気にツーアウトランナー3塁となるが、続く8番安達への初球、やや内に入ったボールをキャッチャー細川が弾き、この間に高橋が生還。突き放されたくない場面でBAEZも得点を奪い、1-4と3点差で次のイニングに入る。 試合はここから一転、両チームのディフェンスが光って中盤まで膠着状態に入り、追う展開のBAEZはピンチを作るも神宮の檜舞台で躍動しようと勝利への執念を見せる。 3回は両者3人で終わり迎えた4回表、BAEZは疲れの見え始めた荻原が洲脇にデットボールを与え3回1/3、球数66球で左腕の島村へマウンドを譲る。いきなり訪れた1アウト1,2塁とピンチの場面で、島村は好リリーフを見せた。ここでバッターボックスに立つのは、前の打席でランニングホームランを放った福地。2打席連続のホームランに期待が高まるも三球三振でツーアウト、新津にはフォアボールを与えるが続くバッター関根は島村のストレートに力負けし、ファーストフライに倒れ3アウトチェンジ。ベンチからは監督の増田より「ナイスリリーフ!」の声が飛び、笑顔でこのピンチを乗り切った島村を全員で迎える。これこそBAEZが掲げる野球スタイルで、例えビハインドで苦しい場面にあっても各選手が伸び伸びとプレーし、心から野球を楽しむことを神宮で体現する。
GRADE RISE 2ndは3回から5回までは無安打と自慢の強力打線が鳴りを潜めて試合は進むも6回表、またしてもあの男がダイヤモンドを駆け回った。この回先頭の柴が島村の足元を鋭く抜くセンター前ヒットで出塁すると、続く細川が一塁線に送りバントを決め、1アウトランナー2塁。先頭に返り洲脇はレフトフライに倒れるも、続くバッターは1打席目にランニングホームランを放った福地。BAEZ守備陣も警戒する中、今度は高めに抜けた変化球を振り抜き打球はライトの頭上を遥かに越え、2塁ランナーは打球の行方を確認しながらゆっくり生還し5-1、そしてバッターランナーの福地も軽やかな身のこなしで、躊躇することなく三塁ベースを回りホームへ突入。クロスプレーとなるも送球が高く逸れ福地は生還、何と福地はこの日2本目となるランニングホームランを放ち6-1と大きくリードを広げる。ベンチに戻った福地は仲間からハイタッチで迎えられ、チームメイトの一部からは「MVP」の声も聞こえる一打となった。 得点差は更に開きこのままでは終われないBAEZは6回裏、この回からマウンドに立ったGRADE RISE 2nd右のサイドハンド岩本を早々攻略する。先頭の大石は簡単に倒れるもチームを支える代表の増田、扇の要として先発マスクを被った高松がフォアボールを選び2アウトながらランナー1,2塁とすると、この日無安打の高橋が意地のセンター前タイムリーヒットを放ち2-6と点差を4点に縮め、最終回へ望みを繋げた。
7回表、BAEZは島村に代わり監督の増田が自らマウンドに上がる。GRADE RISE 2ndも代打攻勢でチャンスを掴みたいところであったが小林・宮城は空振り三振、太田はショートゴロに倒れ三者凡退に終わり、7回裏GRADE RISE 2ndはクローザー中本がマウンドに上がる。BAEZは何としてもランナーを溜めて得点を積み重ねたい場面であったが、中本は小柄な体型ながら力強い直球を武器に先頭竹林は高めのボール球に手を出しショートフライ、続く安達は外の変化球に手が出ず見逃し三振でツーアウト。続く9番柚木は、自らが出塁し上位打線に繋げようと必死に食らいつくも、3球目を叩いた打球は無情にもセカンド正面へ転がり、ヘッドスライディングも僅かに及ばず3アウトでゲームセット。GRADE RISE 2ndが見事にワイルドカードからの下剋上を完遂し、4部リーグの頂点に輝いた。 MVPには満場一致で3安打2ホーマー6打点と全得点を叩き出した福地が選ばれた。興奮冷めやらぬ中、代表の山村がインタビューに答え、4部リーグ史上最多49チームの頂点に立った気持ちを問われると「2022年最高のスタートが切れてよかった」と笑顔で語り、ワイルドカードで優勝を決めた今シーズンの戦いぶりを振り返ると「全部選手の頑張りがあったからここまで来られた」と代表として最後まで選手をねぎらう言葉で締め括った。そしてファイナルでの2ホーマーは史上初、大会MVPの福地は歴史の1ページにその名を刻み「寒い中だったので振れるかどうか分からなかったが、甘い球を狙っていって上手く打てたのでよかったです」と冷静に自らの打席を振り返り、最後に新シーズンの意気込みについては「今日いい波に乗れたので、またプロスタの地に戻って来られるように頑張りたいと思います!」と力強い言葉で新シーズンの抱負を述べた。
一方の敗れたBAEZは試合終了後の円陣でも笑顔を見せるなど、ゲーム中も神宮の夢舞台を心から楽しみ、最後までBAEZらしい野球を展開してくれた。惜しくも敗れはしたが、来季は自ら飛び級となる2部リーグ挑戦を決め、上部レベルでもノーサイン野球でその名を轟かしてほしい。
【MVPインタビュー】#4 福地 穂希
【代表インタビュー】#41 山村 厚
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