TOP > スプリングカップ2016 > バックナンバー > 「MKY88が初タイトル獲得!サヨナラで春の頂点を極める!!」
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       MKY88           0        0        0        0        0        0        0        0        0        1    
サドンデスにまで縺れた壮絶な死闘を制し、MKY88が昨年の雪辱を果たす!!
冬晴れと共に、これ以上ない最高の野球日和となった12月11日、午前8時。決戦の地・明治神宮野球場では2016ファイナルラウンドのオープニングゲームとして、「TABOO 対 MKY88」の第6代スプリングカップ王者決定戦が繰り広げられた。

互いに春一番の激戦を勝ち抜き、初の栄冠奪取を目論む両者。
言うまでもなく、激戦必至となるであろう戦いの先攻は、初参戦から5年という一つの節目を迎えた今シーズンにタイトル獲得という形で悲願達成を強く誓う埼玉の雄TABOO。
そんなチームの指揮官である永富監督はゲーム前、「やっとここまで来れましたし、相手も相手なので、負けないように恥ずかしい試合をしないようにしっかり頂点を取ります。ここに来るまで色々と試行錯誤をしながら試合など組んできて、調子は全員がMAX状態なので、負けたら完全に完敗という事ですね。とにかく、先発の幸田を中心にしっかり守って、最後に1点でも上回って勝てればなと思います。自分としても一番良い場面で登板して胴上げ投手を密かに狙っています(笑)」と語り、念願の頂点奪取に向け気合い十分。
また、キーマンに名前の挙がった幸田もブルペンでの投球練習から気迫を漲らせ、決戦のマウンドへと集中力を研ぎ澄ます。

対する後攻は、昨年味わった屈辱の惜敗から丸一年、春夏共にリベンジでの王座奪取を誓い、再び神宮の地へと降り立った埼玉の若武者MKY88。
そんなチームの司令塔である越間監督にゲーム前話しを伺うと、「悔しい思いをした昨年を上回る意味でも春、夏、1部リーグと3冠を目指してシーズンに臨んだんですが、1部での決勝進出は阻まれたので、春夏だけは何が何でも獲るつもりでいます。昨年に比べると変な緊張感もないので、今日はみんなやってくれると思いますね。その中でキーマンを挙げるとすれば、9番の中島ですかね。俊足の彼が起点になってチャンスを作れれば好調の上位打線が得点に繋げてくれると思いますし、1点でも取ればあとは、先発の置河がきっちりと0に抑えてくれると思います。とにかく相手が古巣のTABOOなので絶対に負けません」とコメントし、先ずは1冠獲りを狙う。
また、キープレーヤーとして活躍を期待された中島は、「自分の役割は上位の増田、倉田、越間へと如何にチャンスで繋げるかだと思うので、どんな形でもいいので塁に出てかき回したいと思います。また守備では、左中間、右中間の打球も全てセンターの自分が取るつもりでプレーしたいと思っています。必ずや去年のリベンジをして優勝したいと思います」と意気込みを語り、攻守での活躍を誓った。

そんな両雄が相見える事となった春の頂上決戦の火蓋は、稲垣(慶)主審のプレーボールによって切って落とされると、互いを知り尽くした者同士故の死闘が繰り広げられ、その手に汗握る試合展開の中心となったがMKY88置河、TABOO幸田の両先発投手が魅せた熱投であった。
先ずは1回表、まっさらな神宮のマウンドに上がった置河は、TABOOの上位打線を担う1番穂坂、2番綿引、3番山本をピッチャーフライ、レフトフライ、ショートゴロの三者凡退に仕留め、危なげない立ち上がりを披露。
対する幸田もその裏、MKY88の強力上位打線を相手に文句無しのピッチング。好調の1番増田、2番倉田を何れも内野ゴロに仕留め簡単に2アウトとすると、迎えた3番越間はライト正面のフライに切って取り、同じく三者凡退という最高の立ち上がりを見せつけた。
その両投手は、展開こそ違えど2回以降も持てる力を存分に発揮。置河が初回に続き2、3回もTABOO打線を3人ずつで片付けると、4回には単打で許した2人のランナーを何れも牽制殺でアウトにするなど、巧みなピッチング術でチャンスすら与えない。
一方の幸田はというと、2回に先頭の4番長岡に浴びたレフト前ヒットから1アウト2塁のピンチを招くと、続く3回にも9番中島に許した内野安打をきっかけに2アウトながら3塁という場面を背負う。だがそれでも、数々の修羅場を潜り抜けてきた右腕は、一切ポーカーフェイスを崩す事なくピンチを脱し、決して先制点を与えない。

まさに、両右腕の意地と意地とがぶつかり合う形で進んだゲームはその後、6回表に置河が8番渡橋に2ベースヒットを許し、この試合初めてスコアリングポジションにランナーを背負えば、幸田もその裏、内野安打、パスボール、四死球など自らのミスで満塁とし、このゲーム最大のピンチを招いてしまう。しかし、決して先制点を与えてなるものかと更にギアを一段上げた両投手は、共にこの場面を空振り三振という力技で切り抜け、ゲーム終盤を迎えても互いに一歩も引かない。
すると、そんな白熱の投手戦と化したバトルは、最終7回は元よりサドンデス戦へと突入した8回にも決着が付かず、球場全体が固唾を呑む。
だが、その好勝負も迎えた延長9回、遂に決着の時が訪れた。途中出場のライト小山が見せた好守備でこの回も無得点で切り抜けたMKY88に対し、その裏のTABOOは、3番越間を迎えた場面でバッテリーにワイルドピッチという痛恨のミスが生じゲームセット。
サヨナラワイルドピッチという誰もが予想だにしない幕切れとなったゲームは、置河を中心とした鉄壁のディフェンス力で終始集中力を研ぎ澄ませ続けたMKY88が、最後に運を味方につけ劇的勝利。見事、昨年の雪辱を果たすと共にVictoriaで初となる栄冠を手にした。

初優勝の余韻に浸る中、インタビューに答えた越間監督は、「ありがとうございまーす。相手が古巣のTABOOだったため負ける訳にはいかなかったので、この結果は当然です。とは言え試合を振り返ると、中々ウチに一本が出ない展開だったのでワンチャンスで相手にもっていかれるかなとも思ったんですが、そこを置河が踏ん張ってくれたので、彼には頭を下げる意外ないですね。これで1つタイトルは獲れたんですが、この結果に満足せず次のサマーカップも絶対獲って今年を終わりにしたいと思います」と話し、喜びを噛み締めながらも、直後の決戦へと今一度気持ちを引き締め直した。
一方、最後までマウンドを守り続けた幸田を始め、ナイン全員が勝利に邁進したものの、あと一歩の所で5年越しの悲願に手の届かなかったTABOO。だがそれでも、彼らがこの試合で見せつけた勇姿はあっぱれの一言であり、必ずやVictoriaの歴史に残る価値あるものであったに違いない。
何れにせよ、勝負故に最後は明暗を分かつ形となったが、両雄が披露した戦いぶりは頂上決戦に相応しい見事なものであり、それぞれに賛辞を贈りたい。
【代表インタビュー】 #6 石塚 将大
【監督インタビュー】 #7 越間 雄基
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